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野外で演奏を披露する、サポートメンバーを含む神戸ユースジャズオーケストラ(7月31日、神戸市中央区、神戸市民文化振興財団提供)
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野外で演奏を披露する、サポートメンバーを含む神戸ユースジャズオーケストラ(7月31日、神戸市中央区、神戸市民文化振興財団提供)
サックスを練習するメンバーと、後ろから指導する高橋知道さん(左から2人目)=神戸市中央区
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サックスを練習するメンバーと、後ろから指導する高橋知道さん(左から2人目)=神戸市中央区

 ジャズ好きの小中高生、集まれ!。各パートでプロの指導があり、神戸市と民間が協力して運営する全国でも珍しいビッグバンド「神戸ユースジャズオーケストラ」が、デビュー5年を迎えた。「ジャズ部のない生徒にも体験を」と始め、学校や年齢を超えた自由さも魅力。卒業生にはプロや音楽系大学進学も相次ぎ、各地のイベントでは「神戸ジャズ」のPR役として引っ張りだこの人気だ。(金井恒幸)

 8月上旬の平日夜、神戸市中央区の貸しスタジオ。「全国大会に向けた曲をやってみよう」。プロのサックス奏者で、ラジオ関西ではジャズ番組を担当する高橋知道さん(40)が呼び掛けると、メンバーの顔が引き締まった。丁寧に声を掛け、時には自ら演奏し指導する高橋さん。「大丈夫、いい感じになった」とほめられたメンバーは表情を和らげ、笑顔がはじけた。

     ◇

 神戸ではプロのジャズ演奏がされてから、来年4月で100年の歴史を積み重ねる。一方、「神戸の公立校では原田、葺合中などにジャズができる部活はあるが、大半は機会に乏しく、子どもらからの要望があった」。神戸ユースジャズ実行委員会事務局長の竹上勲さん(65)はユースジャズ結成の経緯を振り返る。

 そこで2014年に官民で発足した「ジャズの街神戸」推進協議会などがメンバーを募り、16年秋から練習をスタート。翌17年4月の「コウベ ジャズ デー」で演奏をお披露目した。現メンバー(7月末現在)はサックスやギターなどの13人が、神戸や阪神間などから通う。

 指導者は高橋さんのほか、トランペット奏者で高橋さんと同じラジオ番組に出演する神戸出身の広瀬未来さんなど。高橋さんは「一人一人の長所を最大限伸ばしたい。そして自分の技術を高めることが、オーケストラのみんなの喜びにつながることを、体感してほしい」と期待を込める。毎月5千円のレッスン料で第一線の指導陣に学べる、貴重なチャンスともいえる。

 リーダーで中学1年から通うギターの長田祐茉(ゆうま)さん(18)=市立葺合高3年=も「気軽にプロの指導を継続して受けられ、技術が高められるのは、ジャズの街・神戸にいる恩恵かな、と感じる」と満足そう。OBやOGの大学生らも指導に来てくれ、OBらのバンドと共演してイベントを盛り上げることもある。

 近年の課題は、新型コロナウイルス禍で練習や公演が減少したり、十分にメンバーが集まらなかったりする点だ。このため夏休み期間の7、8月には練習見学会を開くなど、随時メンバーを募っている。

 長田リーダーは「神戸に似合うおしゃれでかっこいいジャズが大好き。ビッグバンドでにぎやかに演奏するのは楽しいし爽快感がある」と魅力を語る。

 神戸市近郊在住の小学5年~高校3年が対象。練習は月2~3回程度で、平日夜に同市内で実施する。神戸市民文化振興財団TEL078・351・3597

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