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念願の舞台に臨む紅ゆずる。「お客さまの笑いが作品を完成させる大切なスパイス」=大阪市中央区(2022年8月撮影)
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念願の舞台に臨む紅ゆずる。「お客さまの笑いが作品を完成させる大切なスパイス」=大阪市中央区(2022年8月撮影)
尼崎出身で吉本新喜劇好きという松島庄汰。「スターが隣にいるので、震えています」=大阪市中央区(2021年3月撮影)
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尼崎出身で吉本新喜劇好きという松島庄汰。「スターが隣にいるので、震えています」=大阪市中央区(2021年3月撮影)

 宝塚歌劇団元星組トップ・紅ゆずるの主演舞台「アンタッチャブル・ビューティー~浪花探偵狂騒曲~」が17~25日、大阪松竹座(大阪市中央区)で上演される。小さなシャッター商店街で繰り広げられる、大阪弁のハートフルコメディーだ。

 紅が演じるのは探偵志望の謎の女性、本間カナ。商店街にある武智五郎(三田村邦彦)の事務所で見習いを始め、愉快な商店街の人たちと打ち解けていく。そんな中、立ち退きの動きがあることを知ったカナは、潜入調査を始めるが…。

 「人懐っこいけど、過去にいろいろあるという役なんですよ。(登場人物が)基本的にみんな個性的なので、そこに溶け込んでいく様子が魅力的かな」と紅。自身も三田村に「構えず、懐に飛び込んで、いろんなものを吸収させてもらおうと思ってます」。

 商店会長役は内場勝則、喫茶店のママ役は末成映薫と吉本新喜劇の大ベテランが出演。大阪出身だけに、子どもの頃は「吉本新喜劇を必ず見ていた。憧れの方々と舞台に立たせていただけて感動する」と笑う。

 自身も、宝塚時代からコメディエンヌぶりを発揮。「コメディーは間が大事だし、一生懸命ボケててもツッコんでくれないと意味がないので、自分だけでなく周りがどう動いているかを把握しないといけない」。今回も「ここはボケ、ここはツッコミと、お客さんのつもりでイメージしながら台本を何度も読みました」と話す。

 もともと昨春の上演予定がコロナ禍で中止になったが、台本や歌をバージョンアップ。「この1年半は無駄ではなかった」と喜びを隠さない。

 潜入調査でみせる変装の“七変化”も見どころ。宝塚での男役の経験も「やってきたことなので、アイデアとして出るのではないかと思います。お客さんを良い意味で裏切りたいと思うので、楽しみにしていただければ」と期待を持たせる。

 松竹座は宝塚在団中から通い、思い入れも深いという。「大阪人として最高に光栄で、楽しんでいただける舞台にしたい」と意気込む。

 一等席1万2千円、2等席7千円、3等席4千円。チケットホン松竹TEL0570・000・489

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 「アンタッチャブル・ビューティー」には、尼崎・園田出身の松島庄汰が出演。本格的なコメディーは初めてという、松島に話を聞いた。(2021年3月、2022年8月取材)

 -中止から1年半を経て公演を迎える気持ちは

 「僕自身、非常に楽しみにしていた作品なので、中止はショックでした。そのキャストが欠けることなく再びそろい、芝居ができるのが楽しみ。この間、笑いのプロの技を自分の力にしようと、吉本新喜劇を録画してひたすら見てました」

 -役どころは

 「カナに一目ぼれする警察官・桜井譲役。紅さんは笑いに情熱があり、アイデアをどんどん出してくれるので心強い。自分も出して行かなきゃという気持ちになり、ありがたいですね」

 「三田村さんとバディを組むところもあるので、動きで笑いを取るコメディーの部分と、事件を解決するまじめな部分を、メリハリつけて見せたら面白くなるんちゃうかな、と」

 -カンフーの場面もあるそうですね

 「犯人に対してカンフーを繰り出すという変わった警察官で、見せ場にしたい。ジャッキー・チェンさんの映画や『マトリックス』をめっちゃ見てます」

 -これまで関西弁の役は 「ありましたけど、こんなにがっつりとは初めて。ただ、関西を離れて10年くらいたつので、関西弁が薄まってきて。地元の子に電話して、イントネーションを聞いてもらったくらい」

 -コメディーも初めて

 「ここまでがちがちのコメディーはやったことがなく、アクション、ダンス、歌と初めてなことが多いです。笑いって、芝居の中で一番難しいと思ってて。ぶっ飛んだ役ですが、自己満足な芝居にならずに、自分が楽しみつつ、会場の空気を温める存在になれたら」 -笑いのプロとの共演は

 「僕は勉強ばっかりして育ってきて、吉本新喜劇が癒やしでした。内場さんや末成さんと共演できて、ほんとご褒美のようなお仕事です。稽古場で内場さんのギャグを生で見て、鳥肌が立ちました」

 -地元・尼崎には愛着が

 「ありますあります。帰ってくると落ち着くし、心が近いと感じるし。永遠の故郷ですね。自慢できるのはコストコとダウンタウンしかないと思うけど(笑)」

 -神戸方面にも

 「行ってました。神戸はおしゃれやし、桜の季節は夙川とか。芦屋の雰囲気が好きで、東京にもないですもん」

 -関西滞在中は

 「友達と会いたいけど、このコロナ禍の状況なので。一人で散歩して空気を感じて、芝居に生かしていけたら」

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