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神戸で開幕した表現の不自由展。「平和の少女像」などの立体や平面作品が並んだ=10日午前、神戸市内(撮影・小林良多)
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神戸で開幕した表現の不自由展。「平和の少女像」などの立体や平面作品が並んだ=10日午前、神戸市内(撮影・小林良多)
彫刻家のキム・ソギョンさんとキム・ウンソンさんが作った「平和の少女像」などが公開された会場=10日午前、神戸市内(撮影・小林良多)
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彫刻家のキム・ソギョンさんとキム・ウンソンさんが作った「平和の少女像」などが公開された会場=10日午前、神戸市内(撮影・小林良多)

 検閲や忖度によって公共施設で展示拒否された美術作品などを見せる「表現の不自由展KOBE」が10日、神戸市内で始まった。市民らの実行委員会が11日まで「歴史と女性の人権」をテーマに開く。初日は約430人が観覧し、表現の自由や平和の大切さを再認識した。

 「表現の不自由展」は2015年から、市民らが激しい妨害や脅迫などを受けながら各地で開催。今年は東京や京都などに続き4カ所目となる。

 神戸展では作家16人の絵画や彫刻、写真、映像など約25点が並ぶ。「天皇制」と「従軍慰安婦」を扱う美術は攻撃を浴びてきたが、あえてこの領域に重点を置く展示として、表現の自由の意義を問う。

 平穏に鑑賞する環境を守るため、完全予約制で会場は非公開に。しかし、周辺では反対派の街宣車が「中止せよ」などと大音量で走行。大きな混乱はなかったが、兵庫県警が道路の通行を規制するなど警戒し、物々しい雰囲気に包まれた。

 神戸市須磨区の公務員男性(57)は「ささいな理由で表現の自由がすぐに奪われることが分かった。身近な人に魅力や考えたことを伝えたい」。東京の大学院で美術を学ぶ中国出身の20代女性は「気持ちを揺さぶるいい展示だった。場所を非公開にせざるをえない状況は悲しい」と話した。

(小林伸哉)

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