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「明日は日本晴れ」(国立映画アーカイブ提供)
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「明日は日本晴れ」(国立映画アーカイブ提供)
「フィルム 私たちの記憶装置」(c)El Grifilm Productions
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「フィルム 私たちの記憶装置」(c)El Grifilm Productions
「夢で逢いましょう」
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「夢で逢いましょう」
「東京’69」
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「東京’69」

 人知れず眠っていたフィルムに再び光を当てる「神戸発掘映画祭」が15日から、神戸・新長田の神戸映画資料館で開かれる。今年は5日間にわたり、4セクションで約20作品を解説と共に紹介。貴重な映像遺産がスクリーンによみがえる。(田中真治)

 「新発掘された日本映画」(21、22日)では、名匠・清水宏監督の戦後第2作「明日は日本晴れ」(1948年)と、轟夕起子主演の「今日われ恋愛す」(49年)を上映。いずれも今年5月に国立映画アーカイブ(東京)の企画上映で話題を呼んだ作品だ。神戸映画資料館の収集からも斎藤寅次郎監督「モダン怪談 100,000,000円」(29年)、衣笠貞之助監督「教訓童話 花咲爺」(24年)など4本が初お披露目される。

 「追悼・関西ゆかりの映画人」(16、23日)では、今年亡くなった神戸の実験映像作家小池照男(3月16日没)と、神戸出身の映画監督植岡喜晴(よしはる)(4月10日没)を回顧。小池のライフワーク「生態系」シリーズ、植岡の出世作「夢で逢いましょう」(84年)などで、その独自性を振り返る。

 「ホームムービーと小型映画の可能性」(15、16日)では、ドキュメンタリー集団「NDU」と中心メンバー・布川徹郎(ぬのかわてつろう)の知られざる作品「東京’69」(69年)と「治安出動草稿 お昼の戒厳令」(81年)を上映。ユダヤ難民の生涯をたどる「海でなくてどこに」(2021年)、9・5ミリフィルムのパテベビー誕生100年記念作「91/2」(22年)は、同館が戦前のホームムービーを提供した作品だ。

 「フィルムアーカイブの現在」(16、21日)では、ドキュメンタリー「フィルム 私たちの記憶装置」(21年)を取り上げ、世界各国の映像保存の取り組みと意義を伝える。その一例として、セルビアで保存されていた早川雪洲主演のメロドラマ「男一匹の意地」(1921年)も、関西初公開される。

 その他、シンポジウム「8ミリフィルムの可能性」(15日)、神戸芸術工科大との連携企画で石井岳龍監督のトーク(23日)もある。

 1プログラム一般1400円(一部無料)。詳細は映画祭公式サイトで。同館TEL078・754・8039

神戸出身、植岡喜晴監督作品をデジタル化へ

 植岡喜晴監督の作品をデジタル化する「植岡喜晴アーカイブ計画」のクラウドファンディング(CF)が10月から始まった。

 植岡監督は1954年生まれ。関西学院大在学中に映画製作を始め、漫画家ひさうちみちおや劇団そとばこまちの面々が大挙出演した「夢で逢いましょう」が話題に。80年代の自主映画シーンをけん引し、「精霊のささやき」(87年)で商業映画デビューを果たした。

 デジタル化は「夢で-」のほか、第1作「眠れる森の吸血鬼」など78~88年の8ミリ6本。映画美学校(東京)の講師時代の「ルック・オブ・ラブ」(2005年)などもデジタルリマスターを製作する。関係者の証言や資料で人となりを伝える追悼本「植岡喜晴のみた夢」も出版。来秋には特集上映を予定する。

 CFサイト「モーションギャラリー」で12月29日まで。目標金額(250万円)に達しなかった場合でも実行される。

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