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アルバレス侯爵を演じながら、自分の生きる道を考えるロレンシオ(鳳月杏)=大阪市、シアター・ドラマシティ
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アルバレス侯爵を演じながら、自分の生きる道を考えるロレンシオ(鳳月杏)=大阪市、シアター・ドラマシティ
アルバレス侯爵暗殺計画を知り、それを利用しようとするロレンシオ(鳳月杏)=大阪市、シアター・ドラマシティ
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アルバレス侯爵暗殺計画を知り、それを利用しようとするロレンシオ(鳳月杏)=大阪市、シアター・ドラマシティ
偽りの夫婦関係を演じながら、次第に互いを思い合うロレンシオ(鳳月杏、右)とパトリシア(彩みちる)=大阪市、シアター・ドラマシティ
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偽りの夫婦関係を演じながら、次第に互いを思い合うロレンシオ(鳳月杏、右)とパトリシア(彩みちる)=大阪市、シアター・ドラマシティ
フラメンコ風の踊りを披露する鳳月杏=大阪市、シアター・ドラマシティ
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フラメンコ風の踊りを披露する鳳月杏=大阪市、シアター・ドラマシティ
デュエットダンスを披露する鳳月杏(右)と彩みちる=大阪市、シアター・ドラマシティ
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デュエットダンスを披露する鳳月杏(右)と彩みちる=大阪市、シアター・ドラマシティ

 宝塚歌劇月組公演「ELPIDIO(エルピディイオ)」が3日、大阪・シアター・ドラマシティで開幕した。20世紀初頭のスペイン・マドリードを舞台に、自分の使命を見つけたある男の生きざまを描く。演技も歌も踊りも、すべてに脂ののった鳳月杏(ほうづき・あん)が堂々と二役を演じきり、男役としての達成度の高さを見せつけた。

 当時のスペインは植民地が次々独立し、強大な国力に陰りが見え始めていた。かつて九死に一生を得たことがあるロレンシオ(鳳月)は、ある夜、何者かに襲われ、軍の大佐でもあるアルバレス侯爵(鳳月二役)の館に連れて行かれる。

 侯爵とうり二つのロレンシオは弱みを握られ、侯爵の替え玉となるよう迫られる。エルピディイオのペンネームで新聞に詩を投稿していた彼は、それを続けることを条件に受け入れるが、侯爵と離婚協議中の妻パトリシア(彩=いろどり=みちる)には見破られてしまう。彼女は弱者を助けたいと福祉活動に従事、志を同じくするロレンシオと次第に引かれ合っていく。

 短気で無教養なアルバレス侯爵は裏声を出すなど誇張した演技で、ロレンシオは思慮深く、鳳月は二役をコミカルな対比で見せる。偽侯爵を演じるうちロレンシオが自身のすべきことを自覚していく変化もスムーズで違和感ない。

 侯爵家に仕えるゴメス(専科・輝月=きづき=ゆうま)、アロンソ(蓮=れん=つかさ)との息の合ったやりとりもユーモラスで楽しめる。彩はパトリシアを一本筋の通った自立心のある女性として落ち着いて演じ、ロレンシオに引かれる過程にも説得力を持たせていた。

 作・演出・振付は謝珠栄(しゃ・たまえ)。スペインの音楽とフラメンコの要素を取り入れたダンスが芝居を盛り上げる。場面の始まり、次の場面へつなぐ幻想的なダンス、ロレンシオを慕う酒場の仲間による歌と踊りのアンサンブルなどが随所にちりばめられ飽きさせない。

 新聞に掲載されたエルピディイオの詩に影響され、市民は自由を求めて立ち上がる。終盤、ロレンシオの本当の名エルピディイオに込められた意味が明かされ、ハッピーエンドが閉塞(へいそく)感漂う現代を生きるわれわれにも勇気を与えてくれる。

 11日まで。6日休演。

(片岡達美)

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