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今、生きづらさを抱える人に「ありのままを受け入れてくれる人はきっといる。そう伝える映画です」と話す三浦透子=大阪市内
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今、生きづらさを抱える人に「ありのままを受け入れてくれる人はきっといる。そう伝える映画です」と話す三浦透子=大阪市内
映画の一場面((c)2022「そばかす」製作委員会)
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映画の一場面((c)2022「そばかす」製作委員会)

 恋はしないといけないもの? 結婚しないとダメ? 恋愛感情を一度も抱いたことのない女性が周りとの違いに悩みながら、新たな出会いを通して自分らしさを模索する。初主演映画「そばかす」でヒロイン、蘇畑佳純(そばたかすみ)を演じた三浦透子は、「『こうあらねばならない』という呪縛の中で生きる現代社会で、佳純の生き方が『自分の物語だ』と思ってもらえたら」と期待を寄せる。

 30歳の佳純(三浦)は男性にも女性にも恋愛感情が湧かないことに不安を覚えながらも「それも自分」とマイペースに生きてきた。チェロ奏者を目指したが挫折し、今はコールセンターで苦情対応の日々。母(坂井真紀)が無断でお見合いをセッティングし、結婚よりも友だち付き合いを望む男性と出会い、意気投合するが…。

 「恋愛に興味はあるけれど、今は仕事が楽しいし、男女というとすぐ恋愛関係、という考え方に大きな違和感を持っていた」と三浦。周りから勝手にイメージを押しつけられ、窮屈さを感じることもあるといい、「佳純を実に自然に演じられた」と明かす。

 冒頭、男女2人ずつの合コンに参加した佳純は明らかに浮いていて、うまくコミュニケーションが取れない。「それはなぜか。自分は普通と違うことに悩んでいるのか。じゃあ、普通って何なのか…」。演じる上での疑問を、台本を読み込み、監督と話し合うことで一つ一つ理解に変えていく。「役を通して新たな考え方、価値観に出合う。それが演じる醍醐味(だいごみ)」と話す。

 2002年、子役でデビューしてから20年。映画をメインにキャリアを重ね「映画に育ててもらった」という。米アカデミー賞国際長編映画賞を受けた「ドライブ・マイ・カー」(21年、濱口竜介監督)では寡黙なドライバー役の演技が高く評価され、映画以外からの出演依頼も急増、充実の日々だ。「俳優の仕事は自分を知る作業。それが今、楽しくてしょうがない」

 「そばかす」は23日からキノシネマ神戸国際で公開予定。(片岡達美)

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