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「少年時代、神戸新聞に名前が載ったとき、紙面を手にしている人を見つけたら顔が真っ赤になった」と思い出を語る内藤國雄九段=神戸市中央区
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「少年時代、神戸新聞に名前が載ったとき、紙面を手にしている人を見つけたら顔が真っ赤になった」と思い出を語る内藤國雄九段=神戸市中央区
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代表作の一つ「ベン・ハー」 解答は本文末尾に掲載しています。
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代表作の一つ「ベン・ハー」 解答は本文末尾に掲載しています。

 内藤國雄九段(83)=兵庫県西宮市=による本紙の詰め将棋コーナーは、今回が最終回。敬愛してきた歌手の故三橋美智也さんに習い「のびのびしみじみ」をモットーとしてきた内藤九段が「少年時代にかえって」創作した2746回目の作品を、エッセーやインタビュー記事とともに掲載する。

 近年は、指し将棋ではAI(人工知能)を活用した研究が欠かせないものになっている。詰め将棋の世界でも、余詰めを確認する際などにコンピューターは不可欠だ。しかし内藤九段はコンピューターと距離を置いてきた。

 「コンピューターを使って勉強することの何がおもしろいのだろうとか、よく飽きないものだとかいう気持ちが、どうしてもあります。以前みたいに、自分ひとりで工夫して、考えて-という人は、時間がかかるばかりで、もういないんでしょうね。(NHK杯などで)テレビの画面に勝率が出るのはおもしろいですけどね」

 「詰め将棋の世界でも、コンピューターは、解くのは神様みたいに早い。でも作るのはまだまだ。個性がないからね」

 僚紙デイリースポーツで1万5861回(30日現在)作ってきた詰め将棋も合わせ、これまで約3万作品を発表してきたと語る内藤九段。70年以上にわたる将棋人生のなかで、詰め将棋はどんな存在だったのか。

 「勝負がつかない楽園です。詰め将棋をつくる時間は棋士であることを忘れ、楽しかった。1曲の短い音楽を作るような気持ちで、駒と遊んでいる感じでね」

 「出題しながら、ファンがどれだけいてくれるのか、いつも気にしていましたね。でも、神戸新聞の詰め将棋は、(師匠の)藤内(金吾)先生の思い出が詰まっているから一番大事でした。ファンには感謝しかない。ありがとうさん」

     ◇     ◇

■映画に触発、40年あまりかけて作りあげた代表作の一つ「ベン・ハー」

 内藤國雄九段が、19歳のころに見た映画「ベン・ハー」に触発され、40年あまりかけて作りあげた長編詰め将棋「ベン・ハー」。キリストが悲しみの道を歩く場面や、ベン・ハーとローマ帝国司令官メッサラによる戦車競走などが詰め手順の中に盛り込まれている。

【「ベン・ハー」解答】

 3七香、3二香、同香成、同玉、3七香、3三香、同香成、同玉、3七香、4二玉、4六香、4三香、同香成、同玉、4六香、5二玉、5五香、5三香、同香成、同玉、5五香、6三玉、6四歩、7二玉、8一飛成、7三玉、7四歩、6四玉、6一竜、6三歩、6五歩、5五玉、5一竜、5四桂、5六歩、4六玉、4一竜、4五歩、4七歩、3七玉、3八金、同と、3二竜、2八玉、3八竜、1七玉、1六と、同玉、1八竜、2五玉、1六角、2四玉、3六桂、3五玉、2五金、3六玉、2六金、同玉、2七竜、3五玉、2五竜、4四玉、3四竜、5三玉、4三竜、6二玉、5二竜、7一玉、6一竜、8二玉、8三歩、同金、9三歩成、同金、9四桂、同金、8三歩、同玉、8一竜、7四玉、8六桂、7三玉、7四歩、6二玉、6一竜、5三玉、5二竜、4四玉、4三竜、3五玉、3四竜、2六玉、2五竜、3七玉、2七竜、4八玉、3八竜、5九玉、6八銀、同玉、6七銀上、7七玉、8八銀、8六玉、8七銀上、7七玉、8六銀、同玉、8八竜、9六玉、8七竜まで111手詰め。

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