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やりたいことは「言葉にしようがない『永遠の逃げ水』を追いかけること」だというイッセー尾形=大阪市北区
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やりたいことは「言葉にしようがない『永遠の逃げ水』を追いかけること」だというイッセー尾形=大阪市北区

 40年以上にわたり、一人芝居で現代人を点描し続ける俳優・イッセー尾形。「根本にあるのは『みんなどうしてる?』という架空のアンケート。老若男女から返ってくる、いろんな答えがネタになる」。その想像と妄想を試す場が、近年は大阪の近鉄アート館だ。

 東京・渋谷の小劇場ジァン・ジァン(閉館)から大阪へ打って出たときの劇場がアート館。「お客さんが僕の顔しか見えない小さなジァン・ジァンと違って、顔から下も見られていると気づき、全身を意識化できた」。第二の故郷として、思い入れは深い。

 とはいえ、ネタ下ろしは「工場みたいに完成品ができるわけでなく、四苦八苦」。大阪から各地の舞台に掛け、「だんだん反応が上がってくると、人物が立ち上がってくる」。そうして昨年から磨きをかけた5本を再上演するのが、今回の基本形だ。

 予定するのは、特殊詐欺防止の留守番電話を巡る「Y’s電機」や「ストーカー疑惑」など。「シリアスな話の周辺を演じたい。そこを笑ってもらうことにより認識する世界がある」。人間の意識の底にあるものを探り、具体化することに興味が尽きない。

 「現実模写より、もう少し先に行ってみる。でも、どの人物も地に足がついていること。意識しているのはここですね」

 さらに、新作を日替わりで1本上演。立体紙芝居と称する「雪子の冒険」や歌ネタのシリーズにも、新たな展開があるという。

 こだわるのは生の舞台。「デジタル社会に暮らしている人も、実体を求めていると信じたい。ここでへまをしたとか、焦ってるとかいっぱいあるので見届けてほしい」と笑う。

 今年は公演に先立ち、大阪では初のワークショップも開催。「一人芝居は普通の芝居の先にある」ため、まずは2人以上でのシークエンスづくりを目指す。「できれば、ステージ慣れしていない人とやりたい。若い人に何かを与えられたらいいなと、ちょっぴり思っています」

     ◇

 「イッセー尾形の妄ソー劇場」は4月12日午後7時と13~16日同2時開演。5500円。同館TEL0570・023・300▽ワークショップは同7~9日。応募資格は25~65歳前後、参加費2万円、3月24日締め切り。詳細はアーツインテグレート(TEL06・6372・6707)のサイトで。

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