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舞台について「がまんできない人たちが、それを持て余してるような空気感になるのでは」と話す宮藤官九郎(三浦憲治さん撮影)
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舞台について「がまんできない人たちが、それを持て余してるような空気感になるのでは」と話す宮藤官九郎(三浦憲治さん撮影)

 劇団・大人計画の宮藤官九郎が作・演出を手がける「ウーマンリブ」シリーズ。5月の大阪公演「もうがまんできない」は、2020年に新型コロナウイルス禍で中止(無観客で収録・放送)となった作品だ。宮藤にとっても「やったようでやってない感じ」だっただけに、「笑い声で変わっていく(生の)演劇の面白さを楽しみたい」と話す。

 東京・渋谷の裏町が舞台のワンシチュエーション・ストーリー。芽が出ず解散を決めたお笑いコンビが、訳ありな男女らとたまたま同じ場所に居合わせたことから、物語が進んでいく。

 設定は、街で見かけた「ポケモンGO(ゴー)」がきっかけ。「無関係な人が集まって夢中になっている光景が、はたから見ると奇妙で。でも、自分を客観的に見られる人なんていないというのが、いつも思っていることなんですよね」

 コンビのネタを書く方に「すごく自分を投影している」という。

 「自分たちのネタよりも目の前で起こることの方が面白くて、絶望的な気持ちになる。僕もずっと、周りにはこんなに楽しい人たちがいるのに『なんて自分はつまんないんだ』と思っていて、そこも面白く分析できたら」

 登場するのは「もうがまんできない」人たち。タイトルを決める時に思い浮かんだのが、1980年代のインディーズシーンを駆け抜けたバンド・じゃがたらの同題の名曲だ。「すごく好きな曲で、いっそ乗っかっちゃって、あのムードもお芝居に反映したい」と劇の音楽をカバーで構成することにした。

 お笑いコンビ役は20年版からチェンジし、仲野太賀と永山絢斗。劇団からは、阿部サダヲや皆川猿時ら長い付き合いのメンバーが出演する。「僕にとって、劇団員と舞台をつくるのが、このシリーズの楽しいところ。やっぱり、この人たちには自分が書いたものを面白いと思ってほしい」

 5月18~31日、サンケイホールブリーゼ。8500円、ヤング券3800円。4月9日発売。キョードーインフォメーションTEL0570・200・888

(田中真治)

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