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高座で「落語の魅力を多くの人に届けたい」と話す月亭方正さん=西宮市和上町8
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高座で「落語の魅力を多くの人に届けたい」と話す月亭方正さん=西宮市和上町8
西宮神社近くに建てたスタジオを利用し木曜に開かれる「えびす寄席」=西宮市和上町8
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西宮神社近くに建てたスタジオを利用し木曜に開かれる「えびす寄席」=西宮市和上町8
3月末に開かれた「やみなべの会」。落語コンクールを控えた(右から)桂小留(ちろる)、桂雪鹿、笑福亭喬龍、林家染八の4人がそれぞれの芸を披露、手応えを感じていた。=西宮市和上町8
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3月末に開かれた「やみなべの会」。落語コンクールを控えた(右から)桂小留(ちろる)、桂雪鹿、笑福亭喬龍、林家染八の4人がそれぞれの芸を披露、手応えを感じていた。=西宮市和上町8

 阪神間にまた一つ笑いの拠点が生まれた。兵庫県西宮市の閑静な住宅街のビルで週1回開かれている寄席「西宮えびす亭」。西宮出身の落語家、月亭方正さん(55)が「落語の裾野を広げたい」との熱い思いから開設した。若手からベテランまでのプロ落語家が高座に上がってきた。当日まで誰が出演するのか、入場料も分からない「玉手箱」風の趣向を凝らす。小さな寄席は4月に1周年を迎え、常連客が徐々に増えて地域のファンに浸透しつつある。(豊田 修)

 方正さんは、「山崎邦正」名で数々のバラエティー番組に出演、40歳の2008年に月亭八方さんに入門、高座名を授かった。13年からは落語家として本格的に活動を開始。自宅を東京から関西に移し、全国各地の落語会に出演するなど、腕を磨いてきた。

 寄席は阪神西宮駅の北西約400メートルにある3階建てのビルの1階。全国のえびす神社総本山として名高い西宮神社に近く、お客さんがえびす顔になることをかけ「西宮えびす亭」と名づけた。方正さんが家族のためにダンススタジオとして2年ほど前に建設。寄席のない日は着付けや書道などの教室に提供している。座席数は20~25席と少ないが、間近で噺家の所作や息づかいが感じられると定期的に訪れるファンも。入場料は千円から数千円と幅があり、毎回出演者が決めている。

 方正さん自身も鍛錬の場と位置づけるえびす亭。かつて方正さんと漫才コンビを組んでいた元相方で、現在はイベント企画会社「FUJI鍋」を経営する藤田誠二さん(52)の後押しがあって実現した寄席だ。「ぜひ地元で落語を楽しめる場に」と、藤田さんが寄席の運営を引き受けた。

 原則、毎週木曜日の午後に昼席と夜席の2回公演。誰が出演するか分からない「やみなべの会」と名付け、これまで方正さんが初めての落語を披露するネタ下ろしをしたり、笑福亭鶴瓶さんや桂雀々さんらベテランも高座に上がったりする日もあった。

 方正さんは「毎回、近くのおばちゃんが自転車で来てくれるなど手応えを感じる。これからも落語家としての笑いの鍛錬の場、練習の場として盛り上げていきたい」と、人懐っこい瞳を輝かせた。

 西宮えびす亭のLINEアカウントの登録で公演スケジュールなどの情報が届く。問い合わせは、FUJI鍋TEL072・355・8286、メールth@fujinabe.com

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