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「『花はどこへ行った』はマレーネの歌っていたバージョンを翻訳して歌っている」と語る加藤登紀子=神戸新聞松方ホール(撮影・鈴木雅之)
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「『花はどこへ行った』はマレーネの歌っていたバージョンを翻訳して歌っている」と語る加藤登紀子=神戸新聞松方ホール(撮影・鈴木雅之)

 ウクライナ支援のチャリティーアルバム「果てなき大地の上に」を出した歌手の加藤登紀子が、5月28日、神戸ハーバーランドの神戸新聞松方ホールで「コンサート2023 百万本のバラ物語」を開く。旧ソ連にゆかりがある名曲「百万本のバラ」をはじめ、平和を願う気持ちを詰め込んだ歌の数々を、情感豊かな歌声に乗せて届ける。

 「戦争は国を、人を、守らないということをこれほど強く思ったことはない」と現状を憂う加藤は、ロシアやウクライナとの縁が深い。ロシア文化の色濃いハルビン(中国東北部)生まれ。戦後、帰国後に両親はロシア料理店を営み、京都にはウクライナの首都名を冠した「キエフ」という支店を出していた。両国の友人も多く、「ウクライナの問題とどう向き合ってきたか答えていきたい」と語る。

 コンサートで披露する曲にもその思いが反映されている。元は旧ソ連ラトビアの子守歌で、加藤が訳詞をした「百万本のバラ」のほか、反戦歌「花はどこへ行った」などアルバム収録曲を中心に歌う。

 意識したのはドイツ出身の俳優で歌手のマレーネ・ディートリヒ(1901~92年)だ。マレーネは第2次世界大戦中ナチスドイツに抵抗し、ベトナム戦争時には反戦歌を歌った。加藤がスタジオジブリのアニメ映画「紅の豚」で声優を務めたマダム・ジーナのモデルだと感じている人物でもある。

 「彼女の決然と立ち向かう生き方を敬愛している。不戦の誓いが揺らぐいま、改めて戦争のない世界を目指そうという思いを表明したい」

 今年が没後60年にあたるシャンソン歌手エディット・ピアフの「愛の讃歌」なども披露する。

 午後3時開演。1階席6500円、2階席5500円。松方ホールチケットオフィスTEL078・362・7191

(小尾絵生)

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