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宝塚歌劇雪組公演「Lilac(ライラック)の夢路ードロイゼン家の誇りー」に出演するトップ彩風咲奈(右)とトップ娘役、夢白あや(©宝塚歌劇団)
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宝塚歌劇雪組公演「Lilac(ライラック)の夢路ードロイゼン家の誇りー」に出演するトップ彩風咲奈(右)とトップ娘役、夢白あや(©宝塚歌劇団)
宝塚雪組トップ、彩風咲奈=宝塚大劇場
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宝塚雪組トップ、彩風咲奈=宝塚大劇場
宝塚雪組トップ、彩風咲奈=宝塚大劇場
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宝塚雪組トップ、彩風咲奈=宝塚大劇場
宝塚雪組トップ、彩風咲奈=宝塚大劇場
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宝塚雪組トップ、彩風咲奈=宝塚大劇場
宝塚雪組トップ娘役、夢白あや=宝塚大劇場
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宝塚雪組トップ娘役、夢白あや=宝塚大劇場

 宝塚歌劇雪組公演「Lilac(ライラック)の夢路-ドロイゼン家の誇り-」が22日に開幕する。トップ彩風咲奈(あやかぜ・さきな)は鉄道建設にまい進する実業家、ハインドリヒを演じる。「細部まで描き込まれた人間模様を見てほしい」とアピール。新トップ娘役、夢白(ゆめしろ)あやとのコンビで宝塚大劇場お披露目公演でもある。

 19世紀初頭、ドイツ北東部のプロイセン王国、ドロイゼン家の長兄ハインドリヒ・フォン・ドロイゼン(彩風)は、新しい産業である鉄道事業を発展させようと夢見ていた。ある日、音楽家志望のエリーゼ(夢白)と出会い、勝気で利発な彼女と衝突しながらも、次第にひかれ合っていく。行く手には困難が立ちはだかるが、すぐ下の弟フランツ(朝美絢=あさみ・じゅん)、その下の弟たちも協力し、兄弟5人で乗り越えていく。

 鉄道に夢をかける本作は、阪急電鉄と同歌劇団の創業者、小林一三の理念にも共鳴する。「レールをつくるところから始められて、現在があるのはその発想力、想像力のたまもの」と彩風。

 レビュー「ジュエル・ド・パリ!! パリの宝石たち」は「これぞ宝塚、という作品」だそう。最近は力強い踊りと歌でぐいぐい迫っていくタイプのレビューが続いていたので、ゆったりと優雅な歌と踊りは「印象がだいぶ違うかも」。幕開け、男役はえんび服にシルクハット、娘役はキャバレー「ムーラン・ルージュ」の舞台衣装のような華やかなドレスで踊る。中盤はラテンのナンバーで盛り上げる。場面ごとにパリの地名が掲げられ、名所めぐりの趣も。

 新トップ娘役の夢白については「持ち前の度胸と明るさを引っ込めたりしないで、ぶつかってきて」と願う。稽古してみて、だめなところはとことん話し合い、修正している真っ最中。トップコンビとしての美しさだけでなく、「作品として最高の舞台にしていこう」と話し合っているという。

 その夢白は、女性が夢を追い求めることがまだ難しい時代に演奏家を目指す役どころ。素朴ながらも凜(りん)としたヒロインに、トップ娘役としての自分の立場を重ね、「憧れの存在になれるよう、常に朗らかに温かく美しく。輝く舞台人になりたい」と抱負を語る。

 幼い頃からバレエを習い、高校では声楽も学んだ。宝塚音楽学校の受験まで、「実は宝塚歌劇団の舞台は一度も見たことがなかった」と明かす夢白。試験の過程で受験生をサポートしてくれた音楽学校の生徒の姿に心を動かされ、「ここで生きていく」と決意が芽生えたという。

 配属された宙(そら)組では「先輩から多くの指導を受けた」のだが、雪組に移って間もない頃の舞台稽古中、不安な気持ちや迷いが表に出たのか、演出家からマイクで「夢白、どうした。ひどい」と注意された。「早くなじむため、自分が持っているものを変えようとしていた。それを見透かされたのだと思う」。彩風からも「腹をくくって、どうなりたいか決めたら」と指摘され、「ダブルパンチだった」が、そのおかげでふん切りが付いたと振り返る。

 本公演は第109期生の初舞台でもある。「自分自身、口上を述べたときの客席からの拍手の大きさで体全体に電気が走ったのを覚えている」。109期生が顔合わせの日に大声で自己紹介する姿に「(当時を思い出して)泣きそうになった」。初心に返り、トップとして大劇場に立つ決意だ。(片岡達美)

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