特選に選ばれた日本画が並ぶ展示室=神戸市東灘区向洋町中2、神戸ゆかりの美術館
特選に選ばれた日本画が並ぶ展示室=神戸市東灘区向洋町中2、神戸ゆかりの美術館

 日本最大級の総合美術展の巡回展「第10回日展神戸展」(神戸新聞社など主催)が17日、神戸市東灘区の六甲アイランドで隣接する神戸ゆかりの美術館、神戸ファッション美術館の2会場で始まる。日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の計538点が並ぶ。

■日本画家西田眞人さん、書家井茂圭洞さん、書家黒田賢一さんらの作品も

 日展は1907(明治40)年に始まった文展が起源。神戸展は昨年、54年ぶりに開かれ、来年も続く予定。無鑑査作家らが手がけて全国を巡る基本作品に加え、兵庫や大阪、奈良、和歌山からの入選作が並ぶ。

 兵庫の巨匠らの技を間近で楽しめる貴重な機会で、日本画家西田眞人さん(71)=神戸市北区=は内閣総理大臣賞受賞作「懐」を出品。文化勲章を受けた書家井茂圭洞さん(87)=同市北区、文化功労者の書家黒田賢一さん(77)=姫路市=の作品も並ぶ。

 神戸ゆかりの美術館の岡泰正館長(70)は「戦争が続く中、作家が生命や死を意識し、美の奥底に平和を祈ってかみしめるような作品が多い」と語る。

 3月24日まで。両施設とも午前10時~午後5時。月曜休館。一般1200円、大学生・65歳以上600円、高校生以下無料。神戸市総合コールセンターTEL0570・083330(小林伸哉)