時代の価値観によって歴史上の人物に対する評価は大きく変わる。南北朝期の武将・楠木正成もその評価に翻弄(ほんろう)された一人といえるだろう。後醍醐(ごだいご)天皇への「忠誠心」が強調され、江戸前期の徳川光圀(みつくに)、幕末の吉田松陰らの尊皇思想に影響を与え、昭和の戦前・戦中は軍国主義者に崇(あが)められた。戦後は鎌倉幕府に抵抗した集団「悪党」の活動から、革新派としての一面に光が当たった。
時代の価値観によって歴史上の人物に対する評価は大きく変わる。南北朝期の武将・楠木正成もその評価に翻弄(ほんろう)された一人といえるだろう。後醍醐(ごだいご)天皇への「忠誠心」が強調され、江戸前期の徳川光圀(みつくに)、幕末の吉田松陰らの尊皇思想に影響を与え、昭和の戦前・戦中は軍国主義者に崇(あが)められた。戦後は鎌倉幕府に抵抗した集団「悪党」の活動から、革新派としての一面に光が当たった。