収穫されたチョロギ=姫路市夢前町莇野(姫路市提供)
収穫されたチョロギ=姫路市夢前町莇野(姫路市提供)

 近畿大農学部(奈良市)は、姫路市とともに、おせち料理に使われる野菜「チョロギ」の短期栽培技術の開発に成功した、と明らかにした。栽培期間を通常の半分程度の4カ月に短縮できたという。1月に、研究成果をまとめた論文が英国の園芸学分野の学術誌にオンライン掲載された。今後、農家と協力して調理方法などを研究する。

 チョロギはシソ科の多年草で、地中の根の先端部分が膨らんだ茎「塊茎」を食べる。長さ約3センチで、巻き貝のような個性的な形が特徴だ。栽培にはほとんど手がかからず、病気にも強いという。

 中国では漢方薬として知られ、塊茎に含まれるオリゴ糖の一種「スタキオース」には、高血圧予防や整腸作用などがあるとされる。日本では、酢漬けにし、おせち料理に入れて食べるのが一般的。ユリネのような味で、漬物や、てんぷら、煮物などに向いているという。「長老喜(チョロギ)」とも表記され、縁起物とされている。