JR西日本は24日、山陽新幹線で「こだま」として運用している「500系」車両の営業運転を2027年に終了すると発表した。スピードを追い求め、先頭車の先端を細長くした流線形で人気だが、老朽化と新型投入に伴い運行開始から30年で引退する。
500系はJR西が単独開発した唯一の新幹線車両で、1997年に「のぞみ」(16両)として運行を開始した。当時の世界最高時速300キロで営業運転し、新大阪-博多間を最速2時間17分で結んだ。
川崎重工業(神戸市中央区)などにより9編成144両が製造されたが、「N700系」の登場で08年から新大阪-博多間のこだま(8両)として運用。10年にはのぞみとしての営業運転を終えた。
その後も、人気鉄道玩具「プラレール」のジオラマを車内に設置したり、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」やキャラクター「ハローキティ」のラッピングをしたりし、多くの鉄道ファンに親しまれた。
JR西は24~28年度、のぞみに最新車両「N700S」14編成を追加投入。のぞみとして走るN700系14編成を16両から8両に改造し、こだまとして運用する。500系全6編成のうち4編成は26年度までに、残り2編成も27年中に退く。
長谷川一明社長は会見で「山陽新幹線を大いに盛り上げてくれた。一つの時代を築き、退役していく名車にありがとうと申し上げたい」とねぎらった。(大島光貴)