約220社の真珠関連業者が集積し、日本産真珠の輸出拠点となっている「真珠の街・神戸」。新型コロナウイルス禍で輸出額が一時激減したが、2022、23年と需要が急回復し、販売価格が急激に上昇する現象が起きた。24年に入り市場は落ち着きを取り戻しているが、突然の「バブル」はなぜ起きたのか。神戸の真珠業界を取材した。(谷口夏乃)
今年6月上旬。神戸・ポートアイランドの神戸国際展示場で、真珠の国際展示販売会「ジャパンパールフェア」が開かれた。神戸市内をはじめとした全国の真珠加工・卸売業者96社が出展。人気のあこや真珠のほか白蝶、黒蝶真珠などの南洋真珠が並び、国内外のバイヤーらが商談に臨んだ。
同フェアは日本真珠輸出組合(神戸市中央区)と日本真珠振興会(東京)が共催し、22年から開催している。このフェアが関係者からひときわ強い注目を集めたのが23年だ。「『バブル』のような売れ行きで異常だった」。複数の真珠販売業者が口をそろえる。販売価格は平時の2倍、中には5倍近くにはね上がった例もあったという。