兵庫県の斎藤元彦知事が26日、告発文書問題に伴う県議会の不信任決議を受け、30日付で失職する意向を表明した。告発文書では、昨年11月23日に開かれたプロ野球阪神とオリックスの優勝パレードに協賛金を出す見返りに、県が金融機関向けの補助金を増やした、との疑惑が指摘された。県も金融機関も否定するが、疑惑はなぜ持ち上がったのか。背景を探った。
「企業協賛金、いま一生懸命回っています。集まると思いますし、集めるように努力したい」。昨年11月8日、兵庫県庁であった定例会見。パレード開催費確保の見通しを巡り、斎藤知事はこう強調した。
パレードは県と大阪府、経済界による実行委員会が企画した。開催費はクラウドファンディング(CF)による寄付と企業協賛金で賄うとし、5億円を目標額としていた。しかし、CFによる寄付は伸び悩み、この時点で目標の10%しか集まっていなかった。