納車されたEVトゥクトゥクに試乗する学生ら=神戸市北区鈴蘭台北町7、神戸親和大
納車されたEVトゥクトゥクに試乗する学生ら=神戸市北区鈴蘭台北町7、神戸親和大

 神戸親和大(神戸市北区)は16日、小型電動三輪自動車「EVトゥクトゥク」5台を導入した。地域の課題解決に取り組む来秋からの新科目での活用に向け、1年かけて実証実験し、具体的な使い方を探る。26、27日の大学祭でも、最寄りの神戸電鉄鈴蘭台駅(同)とをつなぐ無料シャトルバスとともに、来場者の送迎に使うことも検討する。

 3人乗りで、最高時速は50キロ。原動機付き自転車と同じくハンドルのアクセルを回して走り、ブレーキを握ると止まる。運転には普通免許が必要だが、駐輪場に止められるという。開発企業のビークルファン(東京)から1年間の無償貸与を受けた。

 新科目は来年10月に始める「地域共創科目」。学生が住民や行政、企業などとさまざまな課題解決を図る。EVトゥクトゥクはフィールドワークの移動手段とするほか、坂道の多い北区で高齢者の移動を支援するライドシェアや、学生による車両のレンタル・販売事業化での活用などを想定。車載バッテリーは取り外せ、スマートフォン200台分の充電が可能といい、災害などによる停電時にも使える。

 この日、同大には色とりどりの5台が納車され、学生らが早速、構内で試乗した。教育学部1年の栄成美さん(19)は「原付きより安定し、後ろに2人乗れて友達と楽しめる。地域の方を運び、貢献ができそう」と笑顔を見せた。

 導入台数は今後増やす方針で、松田恵示学長(62)は「できるだけ早く100台にしたい」と意気込んだ。同社の松原達郎社長(52)は「安全で楽しく面白い乗り物。神戸市北区がモデルケースとなり、日本国中に広がれば」と期待した。(大島光貴)