老舗ソースメーカーのオリバーソース（神戸市中央区）は、１９９５年の阪神・淡路大震災発生日と同じ１月１７日に仕込み、３年間熟成させたソース「クライマックス３年仕込み」を発売してきた。震災から３０年となる２０２５年は「３年熟成ウスターソース ＣＬＩＭＡＸ 『神々による進化』」とリニューアルし、最高級品として売り出す。今回はパッケージや特設サイトに「震災」の文字や要素を盛り込まず、「ウスターソース文化の最高峰の技術として勝負したい」とする。（大盛周平）
今回販売する「神々による進化」は原材料にこだわり、国産のトマトやタマネギ、リンゴのほか、時間をかけてゆっくりと発酵させた「静置発酵」による米黒酢、特選丸大豆しょうゆなどを使用。２２年１月１７日から熟成させた。
開発に携わった道満龍彦取締役は「熟成させないと出せない味がある。まろやかな味わいだが香辛料の芳醇な香りが売り。現時点の最高峰」と自負する。従来品にはボトルに記載していた「１月１７日に仕込み…」の表現を新商品では外した。特設サイトでも「震災」をうたわず、「日本のウスターソース文化と熟成文化の融合を発信したい」と海外展開も視野に入れる。
