丹精したハボタンを手にする大塩芳弘社長。「逆境の今こそ産地の力を見せていきたい」=加西市岸呂町
丹精したハボタンを手にする大塩芳弘社長。「逆境の今こそ産地の力を見せていきたい」=加西市岸呂町

猛暑に対応 新品種開発で競争力強化へ。

 淡いピンクの大輪や、漆黒の葉の真ん中に収まる蛍光色のような赤…。加西市の農場に色とりどりのハボタンがずらりと並ぶ。ほぼ全てが交配から育種、栽培まで自社で手がけるオリジナル品種。兵庫県内屈指の生産量を誇るHanayoshi(姫路市)の大塩芳弘社長(50)は「市場はお正月が中心だが、季節を問わず、生花と同じように美しさを楽しんでもらいたい」と話す。

 姫路市で育ち、短大を出て重機メーカーの営業職に就いた。起業を期す中、初期投資が比較的少なく済む農業を選び、24歳で兵庫県立農業大学校(加西市)に入った。「何でも作れる」品種の多さに引かれ、在学中からハボタン農家でアルバイト。栽培を学び、卒業後に加西で土地を買って独立した。2021年の会社設立後も加西市で生産を続ける。