阪急阪神ホールディングス(HD)の元会長で、20年以上にわたり経営トップを務めた角和夫(すみ・かずお)さんが4月26日午前1時10分、宝塚市の自宅で死去した。76歳。宝塚市出身。葬儀・告別式は親族のみで執り行った。後日、お別れの会を開く。阪急グループと阪神電気鉄道との経営統合を主導し、関西経済界の重鎮としても知られた。
早稲田大卒業後の1973年に阪急電鉄入社、2003年に社長となった。05年には阪急グループを再編し、阪急HDの社長に就いた。
村上ファンドによる阪神電鉄株の買い占めでは、長年のライバルだった阪神との経営統合を決断。阪急阪神HDが発足した06年から17年まで社長、24年までは会長としてグループをけん引した。この間、大阪・梅田の阪急、阪神百貨店の建て替えや、阪神・淡路大震災で倒壊した神戸・三宮の駅ビル再建にも尽力した。
阪急電鉄が運営する宝塚歌劇団(宝塚市)では、14~24年に理事を務めた。23年に俳優女性が急死した問題への対応で、遺族には謝罪したが記者会見には姿を見せず、批判を浴びた。
健康上の理由から24年12月、同HD会長グループ最高経営責任者(CEO)を退任。11年から務めた関西経済連合会副会長を、5月26日に退く予定だった。