救急出動の増加で逼迫する救急医療の緩和に民間の立場でサポートしようと、神戸市消防局の元職員らが株式会社「キャプテンアンビュランス」を立ち上げた。医師や看護師、救急救命士らでつくるチームが有償で患者を搬送するサービスを手がけ、今年7月、本社を芦屋市から神戸市東灘区に移した。提携する医療機関は兵庫県内だけで10機関に上り、河野多加志代表取締役最高経営責任者(CEO)(35)は「民間救急を活用してもらい、助かる命が助かる世の中をつくっていきたい」と話している。(足立 聡)■兵庫県内10機関と連携
同社は2023年、同市消防局で大規模災害対応救急隊「ブルーキャット」の隊長を務めた中澤寛之氏(45)が設立。24年4月から民間救急の事業を始めた。その後、同消防局職員だった河野氏も経営に参加し、今年3月に代表に就いた。
起業のきっかけは、増え続ける救急需要への危機感だ。神戸市消防局によると、24年の救急出動件数は9万9275件で、前年から0・4%減ったものの、15年に比べ約27%増加した。搬送者は65歳以上が65%を占め、高齢化が影響しているという。一方で救急隊の数は34で変わらず、「救急隊が出動してから17時間も戻ってこられないこともあった」(河野氏)という。



 
          
         
           
       
       
       
       
      














 
          


 
           
         
        



