微生物が入った培養液(左)と精製したバイオポリマー(右)、スプーンのサンプル(手前)=神戸市中央区港島南町
微生物が入った培養液(左)と精製したバイオポリマー(右)、スプーンのサンプル(手前)=神戸市中央区港島南町

 微生物からプラスチック原料を取り出して実用化する挑戦が、神戸・ポートアイランドを舞台に始まった。石油など化石燃料からの転換を目指す製造業「バイオものづくり」の画期的な技術で、政府も成長戦略事業として後押しする。壁は微生物の大量培養という。どう越えていくのか。関係者が思い描く未来図とは。現場で聞いた。(末永陽子)

 「フロントランナーとなって神戸で生まれた技術を世界に発信したい」。国内プラント最大手の日揮ホールディングス(HD、横浜市)が設けた「バイオプロセス研究所」で6月にあった開所式で、佐藤雅之会長兼社長は力を込めた。

 鍵となるのは、土壌や海中に住む微生物「水素酸化細菌」だ。二酸化炭素(CO2)などを「えさ」として取り込み、体内にポリマー(高分子化合物)を作って蓄える性質を持つ。生物由来の「バイオポリマー」として、石油から作られるプラスチック用樹脂の代替となる上、自然界に戻る生分解の特性も持つ。