屋外で倒れていた高齢女性を救助したとして、兵庫県警川西署は1日、いずれもコープこうべで働く野垣重文さん(57)と堀元学さん(51)に感謝状を贈呈した。偶然聞こえた小さな声を頼りに女性を発見し、命を救った。
7月2日午後、川西市東畦野2の「協同購入センター川西」に営業先から戻ってきた野垣さん。車を降りるとどこからかささやくような声が聞こえた。「暑いわね」「どうなってるの」
裏手にある墓地に墓参りに来た人の声かと考えたが、「声の距離感が近く違和感を抱いた」。センターと墓地の間をのぞくと柵の奥に人の手が見え、急いで確認すると高齢女性が墓地の隅にあおむけで倒れていた。
すぐに事務所に連絡し、堀元さんが110番。「大丈夫ですか」などと女性に声をかけるとはっきりとした声で返事があった。その後、警察官や消防隊員が到着して女性は救助された。
同署によると女性は70代で認知症を患っており、2日前に家族から行方不明届が出されていた。贈呈式に参加した女性の家族は「本当に感謝しかありません。もう少し遅かったら暑さで助からなかったかもしれない」と目に涙を浮かべて2人に感謝を伝えた。
野垣さんは「感謝の言葉がうれしかった。助けられてよかった」と話し、堀元さんは「仕事では高齢者の家への配達も多く、小さな異変に気づける感度を高めることを職場で徹底しており、それが生きた」と話した。(村上貴浩)