異形の美少女を描いた「富江」シリーズなどで知られるホラー漫画家・伊藤潤二さん(61)の個展が市立伊丹ミュージアム(兵庫県伊丹市宮ノ前2)で開かれている。「伊藤潤二展 誘惑」と題して、デビュー前のスケッチから不気味さと美しさを併せ持った原画、描き下ろしのイラストなど約500点が並ぶ。(池田大介)
伊藤さんは1987年、体を切断されても再生する妖艶な美少女を描いた「富江」でデビュー。舌がなめくじになる「なめくじ少女」や怪物のような風貌のモデルが人を襲う「ファッションモデル」など短編作品を中心に数多くのホラー漫画を手がけてきた。ホラー特有のグロテスクな描写と登場する女性の際だった美しさとの対比などが魅力で、2023年にはネットフリックスで原作のアニメが配信された。30カ国以上で翻訳されており、漫画のアカデミー賞ともいわれる米国の「アイズナー賞」は4度受賞している。