世界文化遺産・国宝姫路城(兵庫県姫路市本町)を撮影する風景写真家大西義和さん(63)=姫路市=が、約6年間の作品をまとめた写真集「絶景 姫路城」を出版した。撮りためた数千点の中から108枚を厳選。折々の自然とともに多彩な表情を見せる城の姿が一冊に詰め込まれている。
姫路出身の大西さんは印刷会社やスタジオ勤務を経て29歳で独立した。得意な被写体は風景や自然。1年の半分は全国を飛び回った。2015年、平成の大修理で生まれ変わった白鷺城に圧倒された。カメラマン人生の集大成にしようとライフワークに定め、自身初の写真集制作に向け、城と向き合ってきた。
名古山や男山など城の周囲にある高所を巡りながら撮影することが多い。大天守にかかる月や、真後ろに打ち上がる花火を収めるには緻密な予測も欠かせない。雷や虹などめったにないタイミングを捉えた出色の作品も並ぶ。
表紙に選んだのは薄い霧が城を包んだ初秋のシーンで、爽やかな朝の光線が可視化されている。大西さんは「スケールを生かした風景的な撮り方が姫路城の魅力。写真を見て実際に足を運びたいと感じてもらえればうれしい」と話す。
111ページ。2200円。出版記念展を、姫路市本町のイーグレひめじ(2月18~23日)と、同県たつの市御津町室津のギャラリー安暖庭(3月12~14日)で開催する。ともに無料。(小林良多)