梅雨の晴れ間、加工場の屋上で天日干しされるシラス=姫路市白浜町

 播磨灘でシラス漁が始まり、兵庫県姫路市白浜町の妻鹿漁港周辺では天日干し作業が最盛期を迎えた。梅雨の晴れ間を縫って多くのせいろに広げられ、作業場一面を白く染めている。(辰巳直之)

 シラスはカタクチイワシなどの稚魚で、塩ゆでして天日干ししたものは、関西では「ちりめん(じゃこ)」として流通している。

 同市家島町、坊勢島の水産会社「天晴(あっぱれ)水産」は、妻鹿漁港の加工場で作業。午前中に水揚げした新鮮なシラスを水洗いした後、赤穂産の塩でゆで、加工場の屋上で乾燥させる。海からの風がある日は3時間ほど干せば、食欲をそそる香りが辺りに漂う。

 同社では7月末まで、ちりめんを1日3~5トン製造。森一成社長(55)は「瀬戸内産のシラスはうまみがあっておいしいと評判。ほどよい塩加減で仕上げている」と話す。

 ちりめんは、多くを東京・豊洲市場に出荷。加工場に併設する直売所でも販売している。直売所TEL079・247・3783