「一日城主」の気分はいかが－。兵庫県姫路市は高額所得者向けのふるさと納税の返礼品に、世界文化遺産・国宝姫路城（同市本町）の城主体験イベントを加えた。閉城後の城を貸し切りにして非公開エリアなどを巡るほか、ヘリやハイヤーによる送迎も。対象は来年１月末までに３千万円以上を寄付した市外在住者で、先着２人。いつでも無料で見学できる「永久入城権」もセットになっている。（田中宏樹）

　新型コロナウイルス禍で姫路城の入城者数が大きく落ち込む中、寄付金を城の整備事業に活用しようと企画した。

　当日は希望に応じて空港などで出迎え、姫路城へ。閉城後、乾（いぬい）小天守４階やロの渡櫓（わたりやぐら）２階など非公開エリアも含めて城内を見学する。城郭考古学者が案内役を務め、甲冑（かっちゅう）姿の役者が往時の攻防を再現する演出も用意する。

　宿泊はホテル日航姫路（姫路市南駅前町）のスイートルーム。夕食は城を正面に望む最上階のバーラウンジを貸し切りにし、地元食材を使った料理を楽しむ。城主の証しとして、寄付者の肖像画も贈る。

　体験イベントは来年３月１２～１３日か同１９～２０日に実施する。市地方創生室の担当者は「これまでで最高額の返礼品となり、永久入城権の贈呈も初めての試み」とＰＲしている。同室ＴＥＬ０７９・２２１・２８３２