兵庫県姫路市飾磨区構2で都倉義直さん(74)が営むうどん店「琴」のプランターで、サトイモが珍しく花を咲かせた。亡き母の田鶴子さんが25年以上前に残した種芋を昨年発見したのが始まり。都倉さんは「たまたま母のサトイモが見つかり、花まで見られるなんて」と話し、家族や地域の人が見守っている。
田鶴子さんは生前、夫と畑でサトイモを栽培していた。都倉さんも40年ほど前にサトイモの花を見たことがあるという。田鶴子さんは夫が亡くなった27年前から畑仕事をやめ、17年前に亡くなった。
新聞紙に包まれた種芋は夫を亡くした頃に保管したものと推測され「時間がたっていても芽が出るだろうか」と半信半疑だったが、この冬に植えて土をかぶせておいた。すると春先に芽が出、現在は1メートル以上に成長した。
開花したのは5日。黄色く、細長い花が咲いた。他のつぼみもできており「人生で2回も珍しい花を見ることができた」と喜ぶ。再び種芋にするか、煮物にして味わうか、亡き母をしのびながら考えたいという。
手柄山温室植物園(同市手柄)の職員は「サトイモは熱帯地域産で、日本では開花条件が合わないと咲かないが、さらに25年以上も眠っていた種芋から花が付くとは驚きだ」と話している。(安藤真子)