消防隊員1人が死亡し、従業員や警察官を含む36人が負傷した日本触媒姫路製造所(兵庫県姫路市網干区興浜(おきのはま))の爆発事故は29日で発生から10年になった。市消防局では現場の声を踏まえて、事業所との連携や装備の強化など安全管理体制の大幅な見直しが進められた。今も現場に入った隊員が爆発の記憶と教訓を伝え続ける。(森下陽介)
マスクをしていてもやけどの痕が分かる。右耳は失われ、腹部などの皮膚を移植した口も鼻もかつての形を取り戻すことはなかった。
「影響が大きすぎて、僕にとって、あの事故はまだ終わってなんかないですね」
飾磨消防署の西川英明警防第2担当係長(47)は10年前、爆発したタンク近くで高所放水車を誘導中、熱風に吹き飛ばされた。タンクがペリッと裂ける音と爆発の瞬間のごう音を覚えている。搬送中に意識を失い、目覚めたのは10日後だった。気管は切開され、人工呼吸器が付けられていた。
事故ではアクリル酸の中間貯蔵タンクが爆発し、付近で放水準備をしていた多数の消防隊員を巻き込んだ。ゲル状に固まった高温のアクリル酸が炎に包まれて飛び散り、広範囲に火の玉が降り注いだ。千度の熱にも耐えられる防火衣を突き抜け隊員の体を焼いた。
西川さんの両手は焼け、ペンも握れなかった。顔に移植した皮膚は硬くなり、口はプチトマトも食べられないほど小さくすぼまった。手術とリハビリを繰り返し、日常生活が送れるようになったのは1年後。消防隊員として現場復帰するにはさらに3カ月を要した。
事故から半年後、事故調査委員会は最終報告で、多数の死傷者を出した要因として、爆発したタンクと消火活動に臨んだ隊員らとの距離が関係すると言及。実際、西川さんも同社の自衛防災隊がタンク付近で消火活動しているのを見て、危険を感じつつも近づいた。
事業者との連携に問題はなかったか。装備は十分だったか-。職場に戻って間もなく、親しい隊員に自身の経験を積極的に伝えるようになった。消防局で3年に1度、若手職員が当時の話を聞く機会でも現場の様子やけがの後遺症、やけどの痕も包み隠さずに語る。
「同じような事故を起こさないために僕ができることは、あの日、何があったかを正しく伝えること」と西川さんは言う。
歳月を重ねて少しずつ落ち着きを取り戻したが、秋が近づき、稲穂の香りが漂うと心がざらつく。ふと、右耳を失った喪失感に襲われることもある。体の後遺症とともに悩まされたのは心の傷だった。
それは、現場に入った多くの隊員にも言えることだった。

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