兵庫県姫路市勝原区丁の休耕田で季節外れのヒマワリが満開を迎えようとしている。気象庁によると、姫路市の10日朝の最低気温は2.9度で平年並み。寒さに負けず約500本が咲き誇り、道行く人の目を楽しませている。(橘高 声)
ヒマワリは丁地区の農区長、松井隆幸さん(67)と農区役員の福原孝好さん(64)が休耕田を有効利用し、地域を元気づけようと昨年から栽培し始めた。初年度は春に種をまき、夏に咲いた。
今年も昨年同様、約400平方メートルの休耕田を耕し、昨年咲いた花から採取した種子を4月にまいた。その際に種が余ったため、「せっかくなら残りも試しに育ててみるか」と、9月中旬からもう一度栽培することに。水や肥料はやらず、自然に任せて毎日成長を見守った。すると10月中旬には人の背丈を超えるほどまでに成長。11月下旬から次々と開花した。
同市緑の相談所は「近年は遅咲きの品種もあるが、同じ種で夏と冬の2回咲くのは珍しい」といい、「地中の温度と気温が、うまくかみ合ったのでは」と分析する。
松井さんは「地域の人がきれいねと言ってくれるとうれしい。来年からもヒマワリの二期作に挑戦します」と意欲的。福原さんは「ここだけ景色はまだ夏。見ているだけで少し寒さが和らぎますね」と、笑顔で話した。