姫路市立水族館(兵庫県姫路市西延末)が開館した頃から飼育されてきたアオウミガメ(雄)の還暦を祝う催しが16日、同館で開かれた。餌で作った「花束」をプレゼントされる姿を、多くの入館者が見届けた。
体重93・1キロ、甲羅の長さ84センチ、幅65センチ。同館がオープンした1966年当時に推定2歳だったので今年、60歳を迎えることになった。日本動物園水族館協会に加盟する施設で飼育されているウミガメ類では、最高齢となる。
担当飼育員の杉原直樹さんによると、近年は高齢のため、体の表面に白いカビが生える「真菌症」を毎冬、発症。重症化すると命に関わるため、投薬治療などをしてきた。ただし食欲は旺盛で、健康状態に大きな問題はないという。
催しでは、赤いちゃんちゃんこを着たボランティア職員が、カリフラワーやレタスで作った「花束」を贈呈。アオウミガメは水面から首を伸ばし、うれしそうに餌を平らげると、悠々と水中に戻っていった。家族で訪れた神戸市立井吹西小6年の男児(11)は「僕の6倍も生きているなんて。病気もしただろうに、すごい」と目を丸くした。(成 将希)