坂本遼が編集した雑誌や著書、遺品などが並ぶ企画展会場=姫路文学館
坂本遼が編集した雑誌や著書、遺品などが並ぶ企画展会場=姫路文学館

 「遠い峠田のてっぺん/あれは おかんかいな/鳥かいな」(「春)より)-。加東市出身の詩人で、現代詩に方言を使った先駆者とされる坂本遼(1904~70年)の生涯と創作を紹介する企画展「生誕120年記念 坂本遼展」が、姫路文学館(姫路市山野井町)で開かれている。播磨の農民の言葉で素朴につづった作品が、心を打つ。来年3月30日まで。(藤本賢市)

■母への手紙、原稿、軍服…未公開資料含む200点

 同館の主催。坂本は関西学院在学中、詩人・草野心平の呼びかけで詩誌「銅鑼(どら)」に参加。1927年発表の詩集「たんぽぽ」と小説集「百姓の話」は、いずれも播磨の農民が日常に話す言葉で書き、温かさや力強さが衝撃を与えた。