兵庫県福崎町の民家で祖母を殺害したとして、殺人容疑で逮捕されていた会社員尾上輝斗容疑者(26)=同町=が、県警捜査1課や福崎署の調べに「祖母に借りた約1千万円を投資詐欺でだまし取られた。返済を待ってもらえないので殺した」といった趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で分かった。神戸地検姫路支部は借金返済を免れる意図があったと判断し、強盗殺人罪で26日に起訴した。
起訴状によると、尾上被告は4日午後7時45分~9時ごろ、近くに住む祖母の尾上英子さん(76)宅で、英子さんの頭を金づちで複数回殴打した上、両手で首を絞めて窒息死させ、借りていた現金約1千万円の返済を免れたとされる。
捜査関係者によると、尾上被告は5月末~6月、交流サイト(SNS)を通じて投資に勧誘され、英子さんからの借金を含む計約1500万円を送金。その後、投資詐欺の被害に遭ったと判明した。
尾上被告は調べに「他にも借金があり、祖母に返済の先延ばしを頼んだが断られていた」などと説明したという。事件当日、金づちを持参して英子さん宅へ行っており、県警は計画的に襲ったとみている。
県警によると、英子さんは1人暮らし。5日朝に尾上被告の父親が、血を流して倒れる英子さんを見つけ、119番した。被告は当初関与を否定していたが、捜査1課員が事情を聴く中で自供。県警が6日に殺人容疑で逮捕していた。