【ウィーン共同】欧州安保協力機構(OSCE)の民主制度・人権事務所は26日までに、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後、ロシアが拘束したウクライナ人捕虜のうち、少なくとも169人がロシア国内や占領地の収容所で死亡したとの報告書を公表した。捕虜に対し「広範かつ組織的な拷問や虐待が行われている」と指摘した。

 報告書によると、侵攻以降、捕虜になったウクライナ兵は少なくとも1万3500人に上り、うち約6300人が依然、収容中。約6800人が捕虜交換により解放された。

 ロシアがウクライナ人捕虜を「特別軍事作戦に抵抗し拘束された者」と認定し、国際人道法上の捕虜としての地位を認めていないことも確認したとしている。

 捕虜は身体的暴力のほか、感電や犬による攻撃、性的虐待などを受けており、証言に応じた元捕虜のうち、約89%が何らかの虐待を受けたと回答したという。

 調査内容は元捕虜の証言のほか、ウクライナ当局者への聞き取り、国際機関の声明などに基づくとしている。OSCE加盟国であるロシアは調査に協力しなかった。