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元孤児らから聞き取った話を紹介する白井勝彦さん=神戸市中央区中山手通4
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元孤児らから聞き取った話を紹介する白井勝彦さん=神戸市中央区中山手通4

 神戸市の戦争孤児たちについての講演会が、中央区の市教育会館で開かれた。「神戸空襲を記録する会」が開き、オンラインを含め約20人が参加。「神戸の戦争孤児の記録を残す会」代表の白井勝彦さん(76)が、終戦前後の混乱期に孤児となった人らの体験を紹介した。

 白井さんの父は戦後、旧ソ連軍の捕虜となりウズベキスタンで亡くなり、炭鉱で働いていた母は5歳の時に病死。孤児となった白井さんは炭鉱で暮らす夫婦に養子として引き取られた。

 神戸市職員として勤務した後、「戦争孤児の体験を記録したい」と2017年に同会を発足。19年には証言集「神戸の戦争孤児たち」を発行した。

 1948年に旧厚生省が行った全国孤児一斉調査によると、戦死や空襲、病気などにより父母を失った孤児は全国に12万3511人、うち兵庫県は5970人とされる。しかし、その実態は明らかになってない。

 講演では、妹と三宮の地下道で食べ物を盗みながら生き抜いた男性らの話を証言集から紹介。「親を失い、戦後も苦しみ続けた孤児たちがいる。歴史の闇に消えてなかったことになる前に書き残したい」と力を込めた。

 講演会前には、22年にわたり「神戸空襲を記録する会」の代表を務め、6月26日に亡くなった中田政子さんをしのび、参加者で黙とうした。(貝原加奈)

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