神戸

  • 印刷
一部開通している阪神青木駅北の側道。歩道と車道がどちらも幅5メートルになっている=神戸市東灘区北青木2
拡大
一部開通している阪神青木駅北の側道。歩道と車道がどちらも幅5メートルになっている=神戸市東灘区北青木2
車道と歩道を区切る縁石。タイヤを擦ったような跡がある=神戸市東灘区北青木2
拡大
車道と歩道を区切る縁石。タイヤを擦ったような跡がある=神戸市東灘区北青木2
地権者が取り寄せた当初計画の図面。側道の内訳は歩道が2・5メートル、車道が7・5メートルだった
拡大
地権者が取り寄せた当初計画の図面。側道の内訳は歩道が2・5メートル、車道が7・5メートルだった
歩道の幅を5メートルとした神戸市の計画案を紹介する2019年6月発行の「青木地区まちづくり協議会ニュース」
拡大
歩道の幅を5メートルとした神戸市の計画案を紹介する2019年6月発行の「青木地区まちづくり協議会ニュース」
一部開通している阪神青木駅北の側道。歩道と車道がどちらも幅5メートルになっている=神戸市東灘区北青木2
拡大
一部開通している阪神青木駅北の側道。歩道と車道がどちらも幅5メートルになっている=神戸市東灘区北青木2

 最大で幅8メートルの歩道に対して車道は一律5メートル。神戸市東灘区の阪神青木駅北側で市が整備している総幅員10メートル以上の側道について、「幅員構成がアンバランスで車が安全にすれ違えない」と神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に住民から不満の声が届いた。「地元の合意形成がないまま工事が始まった」と怒る沿道の地権者たちは、市に工事のやり直しを求める署名運動を続けている。(井上太郎)

■歩道とのバランス

 問題の道路は、青木駅北側を東西に走る市道。阪神電車の高架化に伴って住吉駅の東から芦屋市(兵庫県)境までの計約4キロで整備される都市計画道路の一つだ。

 青木駅付近の約1キロ区間では最低10メートルの幅を取り、うち歩道は5メートル以上、駅前の最も広い所では約8メートルになる。一方で、対面通行を想定する車道は一律5メートル幅の設計で工事が進んでいる。

 2021年11月末ごろ、歩道、車道ともに幅5メートルの区間が一部開通すると、沿道の商店主らで構成する「青木駅北側沿道地権者会」が抗議の声を上げた。

 今はまだ一方通行の規制がかかっているものの、地権者らの話では、路肩に車が止まっていると後続車が追い越す際、狭くて四苦八苦するという。実際、歩道との境の縁石には車のタイヤが擦れた跡が複数あり、地権者らは「この幅では車が安全にすれ違えず、実用に耐えない」と訴える。

 さらに、沿道には医院や飲食店が立ち並び、配送業者などがトラックで出入りすることもある。歩道の通行量は多くないといい、安全で円滑な通行のためには歩道の幅だけを広げるのではなく、「6メートル幅以上の車道が必要」と計画変更を求める署名集めを始めた。5月17日時点で約270人の賛同を得たという。

■話が違う

 そもそもこうした動きの背景に、計画決定手続きへの不信感があるという。

 地権者会が沿道に立てた赤いのぼりに、こんな文言が記されている。「なぜ狭い5メートルになったの?」

 一連の立体交差事業の都市計画決定は1983年。92年に着手し、阪神・淡路大震災の影響もあって2019年度にようやく阪神電車の高架化が完了した。

 側道整備は高架の完成に先立って動き出したが、当初から30年以上にわたって示されてきた計画では車道の幅はもっと広かった。

 震災前に土地の収用に応じた男性によると、契約時に市から示された道路の幅員は、車道7・5メートル、歩道2・5メートル。「車が通りやすい道ができると信じて沿道で商売や事業を始めたり、続けてきたりした人にとっては詐欺みたいなもん」

■いつ決まった?

 市が「5メートル幅案」を初めて地域に伝えたのは18年12月の「青木地区まちづくり協議会」役員会。まち協は「記録は残していないが、出席者に『これでいいですか』と諮ると反対はなかった」といい、計画を承認したとの理解だ。市も「18年12月のうちに地元の了解を得た」とする。

 一方、まち協が沿道の地権者を含む住民に「5メートル幅案」を周知したのは、役員会から約半年後の19年6月。地域に全戸配布する広報紙に市が示した図面を載せたが、設計の基本的な考え方や対面通行の方針については「説明がありました」とだけ紹介している。

 役員会に出席した十数人の中には沿道の地権者もいた。ただ「議決なんてなかった」といい、「賛否を問われれば当然そこで堂々と反対した。意思確認がずさんすぎる」と批判する。

■落としどころ

 市によると、問題の幅員構成は、18年夏にまち協がまとめた提案書を基に策定した。地域からの要望は「歩行者の安全安心を最優先とした生活道路とする」「歩道幅はできる限り広くする」など9項目。市はこれを受け、幅2メートルの自転車専用レーンを新たに設け、その結果、「車道はすれ違える最小限の幅」になった。

 また、住民側も車道の「一方通行派」と「対面通行派」が折り合わなかった経緯があり、市都市局工務課の担当者は「どちらにしても5メートル幅ですよと。それが一つの落としどころではないでしょうか」と理解を求める。

 対面通行派の地権者会も提案書の策定に関わった。同会は「生活道路にする認識は一致している」とした上で「全体でゆとりがあるにもかかわらず、あえて不便で危ない車道を造るのはおかしい」と5月中にも反対署名を市とまち協に出すという。

 市は「地元の提案内容を尊重した計画だが、使ってみて不具合がある場合、まち協としての意見を伝えてもらったら対処を考える」としている。

 神戸新聞社は、読者の投稿や情報提供を基に取材を進める双方向型報道「スクープラボ」に取り組んでいます。身近な疑問や困りごとから、自治体や企業の不正告発まで、あなたの「調べてほしい」ことをお寄せください。LINEで友だち登録(無料)するか、ツイッターのダイレクトメッセージで投稿できます。皆さんと一緒に「スクープ」を生み出す場。ご参加をお待ちしています。

神戸スクープラボ東灘話題
神戸の最新
もっと見る
 

天気(6月29日)

  • 31℃
  • ---℃
  • 0%

  • 38℃
  • ---℃
  • 0%

  • 34℃
  • ---℃
  • 0%

  • 35℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ