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「音楽の中で民族が対話する雰囲気がラテンクラシックの魅力」と話す原山智子さん=神戸市西区
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「音楽の中で民族が対話する雰囲気がラテンクラシックの魅力」と話す原山智子さん=神戸市西区

 中南米のラテン・クラシックが専門のピアニスト原山智子さんが10月15日、神戸市東灘区御影塚町1の神戸酒心館ホールで、ウクライナ支援コンサートを開く。新聞、テレビでロシア軍侵攻のニュースを見る度、悲惨な生活を送る市民の姿に心を痛めてきたと話す。「ラテン音楽は庶民の苦境から生まれ、民族と民族の融和を表現している。人々に平和の音を伝えたい」と抱負を口にする。

 同市西区在住の原山さんは4歳からピアノを始めた。大阪音楽大ピアノ専攻で学び、スペイン音楽と出合った。タンゴのリズムにひかれ、フラメンコダンス教室にも通い、独特のステップを体得した。

 その後、スペインのメロディー感を継承するアルゼンチンの作曲家ピアソラを知り、南米の情熱の国で育まれた音楽に興味を持った。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスや、キューバにも足を運んで現地の人々と交流。エネルギッシュな音楽の原点を追究した。

 「中南米はスペインをはじめ欧米の植民地時代が長く、住民らが苦しい生活を強いられた。それをまぎらわすために明るいメロディー、楽しいステップを編み出した」と説明する。

 その魅力を伝えようと、日本では珍しい中南米ラテンクラシックの奏者として活動するようになった。ニューヨークのカーネギーホールでのリサイタルをはじめ国内外で演奏。2020年の「デサフィオ」などアルバムも2枚発売している。

 15日はレクオーナの「アフロ・キューバ舞曲」を披露する。アフリカ系キューバ人の音楽で、アフリカ伝統のリズムにスペインのメロディーが入り交じる作品だ。「それぞれの民族文化が融合している。東欧で戦火が広がる今、国際都市・神戸から、異国の文化が出合うことの素晴らしさを伝えたい」

 その他、20曲以上を演奏する予定。午後2時開演。2500円。収益金の一部はウクライナ避難民支援に寄付する。及川音楽事務所TEL03・3981・6052

(津谷治英)

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