写真中央から左下にかけて太い道路が見える。上には船が写っているから、神戸の常識で言うとこちらの海のある方が南だろう。
居留地内のメインストリート、19世紀後半の京町筋だ。道幅が広いのは火災の延焼を防ぐためと聞いたことがある。今も旧居留地内を南北に貫いているが、この写真から意外なエピソードを教えてもらった。
「道路沿いに樹木が植えられていますが、何のためだと思いますか?」
都市史を研究している神戸大学特命講師の小代(こしろ)薫さんの問いかけだ。神戸の居留地は東洋一と称賛されたらしいから、まちの景観のためだろうか。あるいは、やはり火災の延焼防止か。

























