阪神高速神戸線の橋脚。宮水への影響を最小限に抑えるため、間隔が広く取られている=西宮市久保町
阪神高速神戸線の橋脚。宮水への影響を最小限に抑えるため、間隔が広く取られている=西宮市久保町

 須磨区と大阪市西区をつなぐ阪神高速神戸線。高架の上では、平日、休日を問わず、乗用車やトラックが行き来する。車社会の到来を告げるように1966年の神戸・京橋-柳原間3・3キロの開通以降、81年には全区間計約40キロに達した。この大動脈の一部は灘の酒造りに必要な西宮の地下水「宮水」の水脈の真上を通るが、悪影響を与えない配慮が施されている。

 「橋脚の間隔を広く取り、水流を妨げないようにしている」。神戸、西宮の酒蔵などでつくる「宮水保存調査会」顧問で、地下水を調査するスミカワ研究所の済川健代表(69)は、宮水調査で知られる父の故・要さんによる解説文を渡してくれた。水脈が通る区間では橋脚の間隔を当初計画の45メートルから最大87メートルに広げられたことが記されている。