店内の一角で客が立ち飲みできる酒店を「角打ち」という。そんな営業スタイルを神戸・南京町の一角で続ける創業90年の老舗が、店主の高齢により閉店の危機に陥った。「大切な居場所がなくなったら困る」。常連客の一人が、後継に名乗り出た。(船田翔太)
1935年創業の「赤松酒店」。南京町の中心を走る東西道路から南に入ってすぐの曲がり角にある。
店主の赤松功一さん(81)によると、父伊三雄さんが現在の場所のほど近くで店を開いたが、9年後に太平洋戦争で戦死する。母みさおさんが継いだものの、翌45年の空襲で一帯が焼き払われ、家族で淡路島に逃れた。

























