客船のデッキをモチーフにしたとされる御影公会堂。外観からは戦争の面影を感じることはできない=東灘区御影石町4
客船のデッキをモチーフにしたとされる御影公会堂。外観からは戦争の面影を感じることはできない=東灘区御影石町4

 太平洋戦争末期、神戸の戦禍が描かれた1本のアニメ映画がある。空襲を体験し、家族を失った故野坂昭如さんの自伝的小説が原作の「火垂るの墓」だ。8月15日、80回目の終戦の日を前に、神戸市内のゆかりの地をたどった。(長沢伸一)

 東灘区と灘区の境を流れる石屋川沿いの公園。ホタルを手で包もうとする幼い女の子と、見守る男の子が描かれた石碑がある。

 4歳の節子と、兄で14歳の清太。火垂るの墓に登場するきょうだいだ。