阪神・淡路大震災は今も人々の心に影響を与え続けています。震災によって生き方、人生観が変わることになった被災地の大人20人から「子どもたちに伝えたい思い」を書いてもらいました。
■上田佑吏さん(24)=神戸市中央区 「カミングコウベ」実行委員
大学に入学直後、父が39歳で他界しました。「音楽で恩返しを」と、がんで闘病中も最後まで命を燃やして手がけていたのが阪神・淡路大震災チャリティーフェスのカミングコウベでした。
僕は震災を経験していません。でも、絶対にこのイベントを終わらせたくない。その一心で受け継いでいます。
震災を知ることは、自分や大切な人の命を守る行動への第一歩。音楽で、そのきっかけをつくる。神戸の街はこれだけ復興しましたという手紙でもあるカミングコウベに「来場者」はいない。全員が「参加者」です。僕たちも次の世代に伝え、つないでいくことはできるから。(井上太郎)
■高田志麻さん(46)=西宮市 シンガー・ソングライター
高校1年生でした。
西宮市の自宅で被災後、震災の映像を見る度に過呼吸になってしまって。心の支えだった音楽に携わりたくて歌手を志しました。