神戸新聞社は、兵庫県がまとめた2023年度の観光客動態調査に基づき、集客数を申告した約1300件の観光施設やイベントのうち、非公表のものを除く678件をランキングにしました。2回目は県内の「公園」です。(記事末尾に県内公園75カ所のランキングを掲載)

 利用者数の集計法は施設によってばらつきがあり、実態を正確に反映していないケースもあります。また、公園も「運動公園」や「緑地」、広域にまたがる「自然公園」など幅広いため、今回は名称に「公園」とあるものを中心に、利用実態も踏まえて選びました。

兵庫県の調査に基づく2023年度の公園利用者数(公表分のみ)

 ランキングのトップは明石公園(明石市)で、利用者数はダントツの230万2千人でした。

 明石公園は明石駅前の便利な立地と四季折々の景観に加え、野球場や陸上競技場、テニスコートといった運動施設が人気で、土日を中心に多くの人でにぎわっています。近年は、県が進めていた樹木の伐採に「切り過ぎ」との批判もわき起こりました。

さまざまなイベントが開かれる明石公園。他を圧倒する230万人が訪れた=明石市明石公園

 2位は三木総合防災公園(三木市)で110万1100人。県立のスポーツ・レクリエーション拠点として2005年に開園し、陸上競技場や野球場、球技場などを備えています。

 防災拠点としての役割も担い、災害時には物資や資機材が集められたり、警察や消防などの部隊が集結したりします。

三木総合防災公園の陸上競技場で行われた高校駅伝の神戸地区予選会=三木市志染町三津田

 3位は甲山森林公園(西宮市)で97万8551人。六甲山の東にあり、おわんを伏せたような丸いフォルムの甲山(標高309メートル)に広がる県立の森林公園です。

 西宮の市街地に近く、登山の拠点として親しまれるほか、幅広い世代がハイキングやジョギング、自然観察を楽しんでいます。

甲山森林公園の芝生広場=西宮市甲山町

 4位は淡路島公園(淡路市)で81万1833人でした。島北部の丘陵地に広がり、1985年に開園した県立公園です。

 園内には、神戸淡路鳴門自動車道の淡路SAと直結する「淡路ハイウェイオアシス」があり、17年にはアニメ体験型テーマパーク「ニジゲンノモリ」もオープン。神戸の街や明石海峡大橋、大阪湾も望める展望デッキも人気です。

県立淡路島公園内の「ニジゲンノモリ」にオープンした「ドラゴンクエスト」の新アトラクション=淡路市夢舞台

 1~4位は県立公園が独占しましたが、5位には小野市立ひまわりの丘公園がランクイン。76万1949人でした。

 夏には40万本のヒマワリが、秋には400万本のコスモスが開花。22年12月には高さ約13メートルの巨大な複合遊具「ひまわりタワー」が誕生し、駐車場待ちの長い車列ができるほどの人気を呼びました。

ひまわりの丘公園に完成した大型複合遊具「ひまわりタワー」=2022年12月、小野市浄谷町

 10位以内に淡路市の3公園、三木市の2公園がランクインする一方、下位にとどまったのは、丹波篠山渓谷の森公園(丹波篠山市)=5915人▽柤大池公園(香美町)=5302人▽万葉の森(稲美町)=4637人-でした。