日本デジタル終活協会の代表理事を務める弁護士、公認会計士の伊勢田篤史さん

日本デジタル終活協会の代表理事を務める弁護士、公認会計士の伊勢田篤史さん

 ネット銀行の口座やサブスクリプション(サブスク=定額利用)の契約など「デジタル遺品」をロックの内側に満載するスマートフォン(スマホ)やパソコン。自分が亡くなった後に、家族を困らせないためにはどうすればいいのでしょうか。生前対策のセミナーを開く「日本デジタル終活協会」の代表理事で弁護士、公認会計士の伊勢田篤史さん(41)は「1分でやれる対策があります」と話します。(聞き手・山岸洋介)

■ロック解除がすべて

 -生前の対策が大切ということですね。

 「デジタル終活の一丁目一番地は、自分の死後にスマートフォン(スマホ)のロック画面を家族が解除できるようにしておくこと、パソコンならログインできるようにしておくことです。決して大げさではなく、そこさえ突破できれば大半の遺品対応はクリアできます」

 -シンプルですね。

 「サブスクやSNS(交流サイト)のIDやパスワードなども残しておくのがベターですが、必須とまでは言えません。でもロック解除のためのパスコードは必要不可欠です」

 「故人が利用していた銀行口座や証券口座をスマホなどから把握できれば、金融機関と直接やりとりすることで相続手続きに応じてもらえます。どこの金融機関と取引しているか分からなければ、手続きのしようもないわけですから、スマホのロック解除がどれだけ大きな意味を持つか分かると思います」