「婚活」についてつぶやく交流サイト(SNS)のアカウントは、詐欺犯の仕掛けたわなだった。何となくフォローした結果、ありもしない婚活サイトの登録手続き料を求められた上、架空のシステムエラーの責任を押しつけられるなど、何度も現金をだまし取られることになったという。
20日夕、姫路市内の50代会社員男性が姫路署に詐欺被害を届け出た。同署によると、事件の経緯はこうだ。
今月9日、男性はSNS「スレッズ」で婚活に関する投稿をしている女性らしきアカウントをフォロー。すると、ダイレクトメッセージで通信アプリ「ライン」でのやりとりを求める連絡が来た。そして、ラインで「和子」なる人物と友だち登録することになる。
和子は男性にラインで10人分の女性の写真を送りつけ、出会いを仲介すると言った。好みの女性を指定すると、「美香」というアカウントを紹介され、友だちに追加できた。
実際に会うには「サイトへの登録が必要」という。「認証カスタマーサポート」「3段階認証」なる手続きとして、指示されるままに現金をATMで入金。まず1万円、それから3万円、5万円、15万円。この時はまだ美香に会えると思っていた。
だがその後、サイト側からグループチャットに招き入れられ、事態が悪化。「システムロック解除」や「エラーデータの修復」など、架空のトラブルの解消費用として何度も高額な現金を要求された。支払いをためらうと、和子や美香たちがライン上で一部の立て替えを申し出て支払いを促した。
最終的な被害は8回の入金で計254万円。追加で195万円を要求された時点で詐欺被害を確信したという。
捜査関係者は「被害者も途中で、半信半疑で『おかしいな』とは思っている。しかし、ありもしないエラーの責任を負わされ、後ろめたく感じるよう演出されてしまったのだろう」と指摘。被害を防ぐには「まずこういった手口があると知ること」とした上で「早いうちに身近な人に相談ができるなら、それに越したことはない」と話した。
























