高齢者のスマホトラブルは「知らない番号から電話がかかってきた」が最多 ※画像はイメージです(One/stock.adobe.com)
高齢者のスマホトラブルは「知らない番号から電話がかかってきた」が最多 ※画像はイメージです(One/stock.adobe.com)

警察庁の発表によると、2025年7月末時点での特殊詐欺の被害額は722.1億円に達し、過去最悪だった前年の年間被害額をすでに超える状況といいます。トビラシステムズ株式会社(名古屋市中区)が実施した「高齢者におけるスマホの利用状況」に関する実態調査によると、高齢者がスマホを使っていて経験したことのあるトラブルは「知らない番号から電話がかかってきた」が最多となりました。では、スマホを使っていて被害やトラブルにあった際、誰かに相談した人はどのくらいいるのでしょうか。

調査は、子どもを持つ全国の65歳以上の男女1201人を対象として、2025年9月にインターネットで実施されました。

調査の結果、「スマホの所有率」は全体の92.8%で、そのうちの51.6%が「スマホを使っていて不安を感じたり、困ったりしたことがある」と回答しました。

具体的には、「知らない番号から電話がかかってきた」(86.1%)」や「心当たりのないSMS・メールを受け取った」(62.1%)といった回答が上位を占めたほか、「スマホの設定方法がわからなくなった」(27.4%)、「アプリやサービスの使い方がわからなくなった」(25.1%)など、スマホやインターネットの利用面に関する不安も目立ちました。

そこで、「スマホを使っていて被害やトラブルにあった際の相談相手」について聞いたところ、「息子・娘」(32.4%)や「配偶者」(28.4%)などが上位に挙がったものの、「誰にも相談しなかった」(37.4%)という人が最多となり、高齢者が詐欺などの被害リスクを抱えたまま孤立化してしまう懸念があることがうかがえました。

スマホ利用中に経験した被害やトラブルについて、「誰にも相談しなかった」と答えた人の理由としては、「自分一人で解決できると思ったから」(52.0%)、「迷惑をかけたくなかったから」(18.8%)、「忙しそうだったから」(10.8%)といった意見が上位に並びました。

また、スマホの防犯やインターネットのトラブル対策について、「普段から家族で話し合うことはない」と答えた人は44.8%にのぼり、そのうちの71.5%が「家族のサポートを望んでいない」ことがわかりました。

これらの調査結果を踏まえて同社は、「特殊詐欺被害は、”自分はだまされない”と考えている人ほど狙われやすい傾向があります」と指摘。

その上で、「防犯について普段から家族と話し合わない人や、防犯のサポートを望まない層こそ、被害リスクが潜在している可能性が高いと考えられます。家族から能動的に声をかけ、”日常的なコミュニケーション”や”困った時に相談できる環境づくり”を積み重ねることが、特殊詐欺被害防止に向けて重要です」と述べています。