兵庫県の三田市民病院の再編統合問題などへの対応を巡り、田村克也市長のリコール(解職請求)に向けて16日に発足した市民団体「『田村市長にNO』の会」。市役所で会見した室谷啓一代表(76)は「このままでは市政はばらばらになる。新しい市長を迎えたい」と訴えた。一方、リコール成立には1カ月間で多くの署名を集めなければならず、実現へのハードルは極めて高い。
同市けやき台元自治会長の室谷代表によると、約50人のメンバーには病院統合に賛成の人も反対の人もいる。昨年7月の市長選で田村市長に投票した市民もいるという。病院統合の「白紙撤回」の公約を翻した経緯をはじめ、子育て施策など他の選挙公約の実現にも疑念を持ち、「市長としての適格性を欠く」とする。
市選挙管理委員会によると、リコールに必要な署名数は選挙人名簿登録者数の3分の1で、昨年12月時点では3万98人。病院統合反対派の「三田市民病院をまもる会」が、賛否を問う住民投票を目指して昨年集めた署名数(6948筆)の4倍超に相当する。また、市長選から1年間は解職請求の手続きができず、秋に市議選があるため8月23日~9月29日は署名活動はできない。
署名集めの時期は未定という。同会はまず署名集めを担う「受任者」を3千人確保し、3万5千筆の署名を目標に掲げる。会の認知度を高め、リコールに向けた機運をつくろうと、3月16日午後2時から、ウッディタウン市民センター(けやき台1)で集会を開く。
(橋本 薫)