三田牛のサウジアラビア輸出をテープカットで祝う関係者=神戸市北区長尾町宅原、三田食肉センター
三田牛のサウジアラビア輸出をテープカットで祝う関係者=神戸市北区長尾町宅原、三田食肉センター

 今月中旬にサウジアラビアへ渡り、海外輸出が始まった三田市特産の地域ブランド牛「三田牛」。後継者不足など畜産業界を取り巻く環境は厳しいが、味や品質を大切に守り、販路を切り開いた。関係者らは「これを機に世界ブランドに」と期待に胸を膨らませている。(橋本 薫)

富豪らの口に合えば…取引価格は神戸ビーフと同等

 「歴史的な瞬間。大々的に売り出して未来へつなげていきたい」。食肉処理業の三田食肉公社(神戸市北区)で和牛の品質管理を担当する木全吾寿来(きまたあひく)さん(25)は興奮気味に語る。

 三田牛の素牛(もとうし)は但馬牛。三田牛として出荷されるほとんどの牛が雌で、柔らかい肉質や口溶けのよい霜降りが特長だ。2007年に地域団体商標の申請が認められ、地域ブランド化が実現した。28カ月以上の肥育期間などが規約で厳格に定められている。基準を満たせば「神戸ビーフ」としても出荷できる高級和牛だ。